いちごいちえ
「みんなで行ったんだよー!!おばさんとおじさん喜んじゃって!!」
「そうなの?何か楽しそうだね」
「道行く人達に声掛けちゃって、面白かったよ〜!!」
いろんな意味で、やっぱり凄い……。
半ば唖然としつつも、そこに瑠衣斗が居れば、きっといろんな意味でもっと楽しくなりそうだな、と考え、頬が自然と緩む。
ずっと2人きりも、もちろん楽しかった。
でもやっぱり、みんなと一緒が、私達らしいんだ。
「おいるぅ!!料理1人でやらせんなー!!てかもうできちまったじゃねえかー!!」
「やっとできたか。腹減った〜」
「お、お前ー!!!!わざと1人にしたのかあーっ!!!!」
龍雅の叫び声と、瑠衣斗のマイペースな声に、みんなが笑う。
みんながこの日に、私と一緒に居てくれる。
そして、笑っている姿が、本当に心から嬉しく思う。
自然とみんなが料理を運び、テーブル一杯に料理が並ぶ。
中でも大半を占めたのが、てんこもりの素麺だった。
「素麺…龍雅と宗太が買ってきたの?」
「いや?素麺て日持ちするだろ。飯作るのが面倒な時の為に、ストックは山ほどある」
「へ、へえ…」
運ぶのを手伝いながら、瑠衣斗に声を掛けると、やたらと突っ込み所満載な返答が帰ってきた。
やっぱり、瑠衣斗の胃袋の大きさには、驚かされるばかりだった。