いちごいちえ
え!?な、なんで!?
若干ショックを受けつつ、よく分からないまま周りを見渡す。
自分が笑われている事が不本意すぎて、逆に戸惑ってしまう。
「んなっ…言い直さなくても…っ」
「え…だって違うでしょう?」
そんな事でツボってるの…?
唖然とするような理由に、どこに面白い要素があるかなんて、全く持って分からない。
でも、穏やかなこの雰囲気は、間違いなく私を自然にさせた。
そして、優しく包み込んでくれているようだった。
「やっぱり、同じ名前だしこだわりがあるわよね!!」
「え…いえ、おばさん…同じ名前じゃないです……」
宴会のような、むしろ身内の飲み会に、たくさんの笑い声が部屋中に広がる。
ちょっとずつ、私は変われている気がした。
瑠衣斗が、私を変えたんだ。
そして、慶兄のおかげで、私は踏み出せなかった一歩を、踏み出していたんだ。
チラリと隣の瑠衣斗に視線を向けると、ずっと見られていたようですぐに視線が絡む。
優しく私を見つめる瑠衣斗が、みんなから見えない位置で、テーブルの下で私の手を引き寄せる。
ドキドキする鼓動が、手を伝わって瑠衣斗に伝わってしまうようで、少し恥ずかしくなる。
「これから、2人でいろいろ決めような」
「……うん」
絡められた指に、優しく呟かれた言葉に、照れ臭くて頷いたまま顔を伏せる。
瑠衣斗にキュッと握り締められた手に、私も握り返した。
みんなの前で、きちんと報告してくれた事が、嬉しすぎて幸せに思える。
ちゃんといろいろと考えていてくれた瑠衣斗に、胸がぽかぽかとした。