いちごいちえ
腕を引かれ、瑠衣斗の胸に引き寄せられる。
横抱きされる形になり、思わず両手で胸を隠したが、見上げた瑠衣斗は私から目を離してはいなかった。
頬を撫でられると、胸がドキンと反応し、体がビクリと反応する。
そんな私を解すように、優しく頬を撫でてくれると、瑠衣斗が軽く唇を重ねる。
言葉こそないのに、瑠衣斗の瞳は私をすごく落ち着かせてくれる。
そして、私の気持ちを裸にしていくんだ。
降り続けるシャワーの中、瑠衣斗が再びキスを落とす。
まるでシャワーのように降ってくるキスに、いつの間にか夢中で瑠衣斗を求め始める。
止まれない何かが、私を走らせる。
私をこうさせてしまったのは、紛れもなく、瑠衣斗なんだ。
「…体、洗うよ?」
小さく囁かれた掠れた声は、シャワーの音がすぐにかき消してしまう。
慌てたり、焦ったり、嬉しくなっちゃったり、この短時間でいろんな感情が私を占めた気がする。
勢い良く降り続けていたシャワーが、ピタリと止む。
瑠衣斗が少し動き、しばらくすると再び濃い石鹸の香りが辺りに広がる。
一瞬にして、再び胸がうるさく鼓動し始めたが、何だか先ほどとは違い、心地良いモノに変わっていた。
恥ずかしさで顔は赤くなるばかりだけれど、瑠衣斗が落とすキスで誤魔化されそうになる。
肌を泡立てたスポンジが滑ると、瑠衣斗の胸に顔をうずめた。