いちごいちえ
瑠衣斗がくれるキスに、胸がバクバクと高鳴る。
そのせいなのか、なんなのか。自然と息まで上がってしまう。
ピッタリと、少しの隙間さえも許さないような瑠衣斗のキスに、頭がぼぅっとしてしまう。
もう、目の前の瑠衣斗しか見えない。
頬から滑るように、首筋へ瑠衣斗の指先が触れる。
「ふ…んっ」
背筋がゾクリとして、思わず体が震えた。
そんな私の様子に、少しだけ唇を離した瑠衣斗が、熱っぽく私を見つめる。
その瞳には、何か火でもついたような、そんな熱いものを宿していた。
「…ここで止めないと……俺、本気で止まれそうにない」
「………」
ポツリと呟かれた言葉に、返す言葉も浮かばず、そのままじっと瑠衣斗を見つめる。
きっと瑠衣斗から見れば、私は物凄く戸惑っているに違いない。
それ程、私は動揺も戸惑いも隠せないまま、どう答えるべきかなんて分からなかった。
私はどうすればいい?
なんて言えばいいのだろう。
どうしよう。どうすれば……。
「俺が怖い?」
切なげに私を見つめる瑠衣斗が、再び呟く。
何だか無性に、切なくなるような、瑠衣斗を傷付けているような気がしてしまう。
そんな言葉に、私は気が付くととっさに答えていた。
「怖くない。るぅだから怖くない…。るぅじゃないとイ…」
イヤだ。と言い切る前に、その言葉を瑠衣斗によって遮られてしまう。
「おま…覚えとけよ」
そうまくし立てるように呟いたと同時に、激しく唇を奪われた。