いちごいちえ




「…笑うなよ」



「え?あ、ごめん…。なんか嬉しくて」



「嬉しい?意味が分からない」




さっぱり分かっていない瑠衣斗を、私は頭を包み込むように抱き締めた。


一瞬、驚いたようにピクリと反応した瑠衣斗を、胸いっぱいに抱き締めていた。



今まではきっと、本気でどうこうしようとしてたつもりじゃない。


だからこそ、こうして余裕がないのだろう。



最後までするつもりはない……。だから、余裕で居れたのかな?なんて考えたら、本当に私の事を大切にしていてくれたんだと、そう実感した。



今まで私に合わせて、きっと物凄く我慢させていたに違いない。


そう思うと、嬉しくて嬉しくて堪らなかった。



「え…も、もも?」



「…大好き」



「…え?急になに…意味がやっぱり分からない…」



「分かんなくていいよ…。大好き」



「………。」



「もう…私に合わせて、我慢しなくていいよ」



しばらく私にされるがままだった瑠衣斗が、ゆっくりと顔を私に向ける。


切なげに眉を寄せた瑠衣斗が、私だけを見つめている。



体を起こし、瑠衣斗の頬を両手で包み込むと、私は瑠衣斗の唇にゆっくりとキスをする。


私の背中へと瑠衣斗が腕を回すと、すぐにそのペースも瑠衣斗に持っていかれてしまう。



息もできない程のキスの中、瑠衣斗が私から衣服を取り払う。



恥ずかしさはやっぱり拭う事がまだできなかったが、私は全てを瑠衣斗に委ねた。
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