いちごいちえ




シーツを背中に感じた時、私はベッドに縫いつけられたように、身動きができなかった。



目を開けれると、私を熱く見つめる瑠衣斗の瞳から、目がそらせない。



「…恥ずかしいよ……」



あまりにも熱心なその視線に、思わず本音が零れる。



両手を押さえつけられているから、抵抗もできない。


両手で体を隠してしまいたいが、それすらできない。


顔が燃えるように熱い。




「…すげー綺麗」



「………」



恥ずかしさに何も言えず、ただ口を紡いだ。



見えないはずの月明かりが、私を照らし出す。


外からは、雨の音だけが部屋に届く。



「大切に優しくしてやりたいのに、お前をめちゃくちゃにしたい」



瑠衣斗の言葉に、ドキリと大きく鼓動する。


良い言葉も浮かばずに、私は言葉も発せない。




でもやっぱり、瑠衣斗は優しかった。



「怖かったら言えよ。今日は止めるつもりはない…けど、無理はするなよ?」



「……るぅ…」



私の口から漏れた声は、震えるように小さい。


そんな私の首筋に、瑠衣斗が顔を埋め、唇を滑らす。


そして、そのまま掠れた声で囁いた。




「時間かけて、たっぷり可愛がってやる」




「ふっ…あっ…」




「…もう……止まんねーから」





肌を滑る瑠衣斗の唇が熱く、私を焦がした。
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