いちごいちえ




瑠衣斗はゆっくりと、時間をかけて私を解していく。



触れる大きな手が、私を探る。


私の小さな甘い痺れは、瑠衣斗の唇の中に吸い込まれてしまう。


時折走る、チクリとする痛みすら、私には甘い快感に様変わりする。



何も考えれなかった。

体が異様に熱い。



息が上がって酸素が頭に届いていないようで、意識が何度も飛びそうになる。



必死に踏みとどまろうとする私を、そのたびに瑠衣斗の指先が追い立てる。



「力抜いて…」



「んんっ…やっ…」



「我慢すると、辛いのはももだぞ」



「っく…っ、ふっ」



「もっと声、聞かせろよ」




耳元で低く囁かれたその瞬間、一気に瑠衣斗が私を追い込む。


「あっ、あぁっ―――…」



頭が真っ白になって、背中が仰け反った。



体がビクンと跳ねて、体から力が抜ける。


何も考えられないほどの快感に、私は一気に飲まれたのだ。




熱い波がようやく去った後、肩で呼吸を繰り返す私を、瑠衣斗が覗き込む。


私はと言うと、微かに開けた目に涙が溜まっているせいか、瑠衣斗が少し滲んで見える。



ふっと小さく微笑むと、瑠衣斗が私にキスを落とす。



先程よりも熱いその唇に、瑠衣斗の本当の激情を知る。



熱いその唇が、優しく私の唇をこじ開ける。


まだまだ許してはくれなさそうなその唇に、私は再び簡単に甘い息を漏らした。
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