いちごいちえ




瑠衣斗はその後も、執念に私から緊張を取り去ろうと解していく。



頑なに力の入ってしまっていた体からは、すっかり力は抜けていた。


全てをさらけ出し、瑠衣斗のに身を任す。


熱でもあるような、2人の熱い躰。


何度も重ねられる唇を、私は自ら求めた。



こんなに優しく触られたら、溶けて瑠衣斗と混ざっちゃいそう……。




そんな事をぼんやり思うと、ふと瑠衣斗が私から体を起こす。


思わず薄く開いていた目をパチリと開けると、瑠衣斗がベッドのすぐ脇にある引き出しに手を伸ばし、何かを取り出した。




…………あ…。




ハッとした瞬間、すぐにそれが何か気付く。



今までが嘘のように、心臓がバクバクと暴れ出す。


期待と不安、それらが入り乱れ、思わず身を固めてしまう。


時間にすれば、ほんの少し。


再び瑠衣斗が私にキスを落とすその瞬間まで、私は緊張で意識が可笑しくなりそうだった。





でも、そんな私の考えも、瑠衣斗にはお見通しだったようだ。



段々と深くなるキスに、何も考えられなくさせられてしまう。


一度緩められた私の体は、瑠衣斗の愛撫する指先によって、再びすぐに解されていく。



優しく全身で私に触れる瑠衣斗だが、やっぱり何だか余裕がないように感じるのは、きっと気のせいではない。



こんなにも、余裕がない瑠衣斗を、私は初めて見た。


余裕なく私を求める瑠衣斗に、私は感情を高ぶらせられた。




「…もも……もう無理。我慢できねえ…」
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