いちごいちえ




見たこともないような、瑠衣斗の瞳。


余裕なんて、感じられない程、強く私を求めていた。



掠れた低く甘い声が、胸を締め付ける。



ゆっくりと体勢を変えると、瑠衣斗が覆い被さってくる。



「……あっ」



思わず逃げてしまう私を、瑠衣斗が片手で私の頭を覆い、唇を塞ぐ。



「…もも…痛かったら言えよ」




唇の隙間から漏れた言葉に、小さく頷く事で精一杯だ。



瑠衣斗の背中に腕を延ばし、ギュッとしがみつく。


頬に、額に、優しくキスを落としてくれる瑠衣斗は、いつのまにか固く目を閉じた私の瞼にも、優しく唇を落とす。




……あ、れ…?



すぐに感じると思っていた痛みが、いつまで経ってもやって来ない。


不思議に思った私は、固く閉じていた瞼を、ゆっくりと開けた。



「る…う?」



「…怖いか?」



「え…?」




目を開けた先には、私を優しく見つめる瑠衣斗の瞳。


訳の分からないまま見つめていると、再び瑠衣斗が口を開いた。



「怖かったら止めるし、嫌なら言え」



予想外の言葉に驚くと、私は思わずそのまま頬を緩めた。



……やっぱり、るぅ大好き…。



「ヤダ…やめないで」



「……理性がぶっ飛ぶだろうが」
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