いちごいちえ




その瞬間、瑠衣斗を全身で受け止めた。



「あぁっ、あっ…」



全身で瑠衣斗の情熱を感じ、甘い痛みに奥歯を噛み締める。



激しく私を求める瑠衣斗に、体中が嬉しさに溢れる。



切なく私の名前を呼ぶ瑠衣斗が、私を濡らす。



突き動かされる感情に、瑠衣斗の私への想いを感じた。





何も考えられなかった。



ただただ、夢中で瑠衣斗を求めた。



一つに重なった喜び以外に、何も考えられない。



痛みですら、喜びに変わる。



こんなに情熱的な瑠衣斗を、初めて見た。



余裕もないままに、瑠衣斗が唇を重ねる。


混じるお互いの息遣いが、激しく乱れている。




「悪い…っもう、我慢できねえ…」




息も絶え絶えに、そう呟いた瑠衣斗に対し、私は返事の変わりに瑠衣斗の首筋にしがみつく。



ぐっと引き寄せ、漏れる自分の甘い溜め息を止めるなんて事はしなかった。


本能の赴くままに、声を漏らした。



「ふ、あっ、あぁっ」



「…くっ……」




ビクッと、一瞬瑠衣斗の体が震える。



抱き締めていた腕に力を込め、瑠衣斗を受け止める。



力の抜けた覆い被さった瑠衣斗の重みと、体温。激しく打つ鼓動が、私を包み込む。



重なったまま、瑠衣斗が私を優しく抱き締め返す。



私と瑠衣斗は、ようやく一つになれたのだ。



そんな想いが、胸一杯に広がった。
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