いちごいちえ




灯がともった気がした。

それはとても暖かくて、儚くて。


じんわりと全身に回るようにその暖かさが広がっていくの。


なんて言うんだろう………。


そう、満たされる。


全身が、暖かさに満たされていく感じ。




「…返事は?」



「は…っん」




うん。って言いたいのに、それを瑠衣斗は許してくれない。


優しく触れられた唇が、段々と深さを増す。



「言わないの…?」



「ん、…んんっ」



胸元の合わせから、優しく触れられた瑠衣斗の手の動きに、簡単に浴衣が着崩れていく。



「言うまで止めない」



「っ、あぁっ!!」



何時の間にか夢中にさせられ、気が付くと足元から浴衣は捲り上げられていた。


今日は浴衣だから、下着はもちろん着けてなんか居ない。


簡単に探り当てられてしまった私は、瑠衣斗の首に必死にしがみつくしかできなかった。



「反則だよ…もも」


「あ、あ、やっ…もっ、むりぃっ」


「無理…?それが返事なら、止めないよ」



予想もつかない瑠衣斗の指の動きに、頭の中が段々と真っ白になっていく。


何も考える事なんかできなくさせられて、結局いつも瑠衣斗の思い通りにさせられてしまうんだ。



「やっ、あ…あぁっ、るぅダメっダメェ!!」


「ももが…意地悪するから、お仕置きだ」



そんな囁きと共に、一気に意識が真っ白になった。



体が弓なりにしなる私の唇を、瑠衣斗が強く優しく塞ぎ、声にならない私の声を飲み込んだようだった。
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