いちごいちえ




「俺は不安になりっぱなしなんだし、そう言うの言われた方が嬉しいんだけど」



「そう…なの?」



寂しいとか、会いたいとか…男の人からしたら、重かったりするんじゃないの?


だから、我慢しなきゃって…ワガママ言ったらダメだって、女の子は我慢するんじゃないの?



そう思うだけで言えない私は、やっぱり瑠衣斗に嫌われたくなくて、重く思われたくなくて言えない。



それに、迷惑かけたくないもん……。



「女のワガママってヤツは、可愛いと思うのは俺だけなのか?てゆーか…もものワガママだからかな?悪い気どころか、叶えてやりたくなる」



「え…?」



私の顔を覗き込んだ瑠衣斗が、優しく微笑む。


その顔に、嘘なんて微動だにも感じなかった。


不安で一杯だった胸の中が、幸せに満たされていく。



私、こんなにもるぅに想われてる……。

不安な気持ちも、るぅの言葉で幸せに変換させられちゃうんだ。



「ももは…いや、俺も、口下手だからなかなか思った事は口にできないけど」



「…うん」



「その分、少しの言葉でも理解したいと思うんだ」



「少し…?」



なんとなく分かるような…でも、なんとなくではなくて、きちんと瑠衣斗の言葉を理解したい。


そう思うのは、きっと瑠衣斗も一緒なんだ。



「それだけ、ももの言葉を聞き逃さないように、俺は必死なんだよ」



両手で頬を包み込まれ、瞼に優しいキスが降ってくる。


瑠衣斗の熱い眼差しは、私を動けなくさせるんだ。



「少しの変化も見逃したくない。ももは俺のモノだから」
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