いちごいちえ
大胆?なにが大胆……。
……げっ。
忘れてた!!
「ダメー!!!!むりー!!!!」
「だはっ、おせえよ!!」
肌襦袢は着ているけど、その下がない。
すっかり下着を着けていない事を忘れていた私は、有り得ない速さでしゃがみ込んだ。
と、言うよりも、そのまま崩れ落ちたに等しい。
床に散らばった帯達が、ほとんど脱がされている事を物語っている。
浴衣は羽織るようにしてギリギリ身に付けてはいたけども、もしそれまで脱いでたら…肌襦袢だけなら透けてたかも!!!!
「あ〜はいはい、見てねえよ。後ろ向いててやるから、早く着替えろよ」
「うう…絶対見ちゃダメだからね!!」
「覗きの趣味はねえよ」
この状況で覗きって言うかは激しく疑問だけども。
……私って、こんなドタバタキャラだったっけ…?
クスクス笑いながら、散らばった帯を抱えた瑠衣斗が、私に背中を向けて畳みだす。
乱れのない動きに、後ろを振り返る様子のない事を確認した私は、暴れ続ける心臓を抑えながらも、慌てて慎重に着替えを始めた。
ひとまず浴衣を脱ぎ去り、肌襦袢を羽織りながら、瑠衣斗と背中合わせになる形で下着を着ける。
これだけでもう、だいぶ違う。
「まだ?」
「ダメぇ!!まだ下着しか着けてないっ」
そう言った瞬間、すぐ後ろに気配を感じた私は、一瞬で身をカチコチに固めた。