いちごいちえ
「ももの顔が見たい」
覗き込まれるようにして、瑠衣斗と目が合う。
熱い眼差しに、私は抵抗する力もなく瑠衣斗と向き合う形にさせられる。
ドキドキと高鳴る鼓動は、全身が心臓にでもなってしまったかのように思えてしまう程だ。
濡れた髪に月明かりが反射して、ポタポタと滴る雫を輝かす。
色素の薄い瞳に見上げられると、背中と腰に回された腕に力がこもった。
重なった唇は、優しく甘く、とろけてしまいそうで。
重なった吐息が、川の流れる音に混ざり消えていく。
体が燃えるように熱いのは、湯船のせいじゃない。
浅かったキスが、段々と深くなる。
「っ、んあっ」
背中がしなると同時に、支えられた力強い腕。
優しく探るように掻き回される程、頭の中の思考がどこかへと行ってしまう。
「…こっち見ろよ」
「ふ…う…っあぁ」
「やべェ…可愛いすぎ」
薄く目を開ける度に、絡まる色素の薄い瞳。
私を見つめる甘い瞳に、私は欲情してしまう。
息が上がり、脈が早くなる。
「やあ、やぁだ…やっ」
「…――けよ」
私は意識を保とうと、頭を横に振る。
もっと、るぅと深い所で繋がりたい……。
心も体も、るぅでいっぱいにしてしまいたい。
そしたら私は、きっと1人でも大丈夫だから…。
「力を抜け」
「はっ、ん…」
もう、怖がったりしないから……。
「もも…どうしたんだよ」