いちごいちえ




じんわりと、胸が熱くなった。


言葉なんて出てこなくて、ただ瑠衣斗を見つめた。



優しく、愛おしそうに私を見つめる瑠衣斗に、返す言葉も見つからない。



「でも…ももに触れたくてたまらない。いろんなももを知りたい」



「…る……」




ようやく口にした瑠衣斗の名前さえも、ポツリと頼りなく掠れてしまう。



この気持ちを言葉にするには、なんて言えばいいのだろう。


どうすれば全部、瑠衣斗に伝わるのだろう。



「今は…もものその気持ちだけで、俺は十分嬉しい。それに……」



「……それに?」




私の言葉に、ニヤリと悪戯っぽく口角を上げた瑠衣斗に、一瞬怯みそうになる。



るぅがこの顔をする時って、毎回ろくでもない事ばっかり言う気がする……。


そして瑠衣斗が引きつる私を置き去りに、口を開いた。



「初めてがここってのはなあ。ゆっくりとももを感じられない」



「なっ…」




そんな私の予想は、ものの見事に当たってしまうのだった。



「でもま、十分可愛いももをみれたしな」



「もー!!やめてえ!!」



「俺しか知らないももってのがいいよな〜」



「やめてってば!!るぅなんか性格変わってない!?」



「かもな?ももの前だからだよ」




そんな事、そんな優しい顔で言われたら、何も言えなくなっちゃうよ…。


目を細めた瑠衣斗の瞳には、真っ赤になった自分が写り込んでいた。
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