いちごいちえ




そして、そのままの顔でチラリと私を見るものだから、私は余計に笑ってしまうハメになる。



「笑うなよ…笑い事じゃねえんだよ…」



「だ、だって…あまりにも真剣…っだから…っ」



「当たり前だろう」



そんなに悩まなくても…家族水入らずでここでは過ごせなかったのだから、せっかく過ごす事ができる事を、私にはそんなに悩む理由が分からなかった。



私には分からないけれど、久々に両親と過ごすって、そんなに大変…?な事なのだろうか。


まだ学生の私達には休みが十分すぎるぐらいあるのだし、返っていろいろと向こうの土地を案内してあげたり、親孝行ができるんじゃないかとも思うのだけど。



「せっかく…やっと恋人になれたのに、うちに呼べないじゃねえか」



「……え?」



こ、恋人…?うちって…るぅのマンション…だよね?


…そ、それって……。



まだ瑠衣斗から確信を得るような言葉も聞いていないのに、熱くなっていく自分の頬。


嬉しいような恥ずかしいような、何とも言えない感覚が胸一杯に広がっていく。



やっぱりそれって、そゆ事?

や…だ…ってどうしよう。



「おい、なに真っ赤になってんの」



「ま、真っ赤…?あ、う、ううん何でもっ」



「ふーん…なに想像してたの?ももちゃん」



やばい。これじゃあ自らネタを提供してしまったよんなモノだ。


なんだかここの所、私は瑠衣斗にいじられてばかりな気がする。


実際そうに違いないのだけど……その理由が何とも悔しい気がしてならない。



「想像なんてしてないっ。何でもないもん」



「ふっ…そうか」



意気込んで対抗心剥き出しで噛み付いてみたつもりだが、瑠衣斗には鼻で笑われて3秒で終わった。



虚しい上に悔しさが倍増で、でも言い返すのも変に思いガックリとうなだれた。
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