いちごいちえ
「ね、小学生の頃のアルバムは?」
「小学生も…?見るのかよ」
「見る!!見たい!!」
かなり渋々と取り出してくれたアルバムを、ワクワクしながら表紙を開く。
最初は、見付ける事ができるかな?なんて思っていた私は、生徒数が少ないおかげかすぐに発見できたのだった。
予想以上に、可愛い瑠衣斗。
その幼い姿は、隼人君そっくりで、実際の隼人君を少し大きくした感じだ。
でも、今の瑠衣斗からは想像できない程背は他の子よりも小さく、なんだか泣きそうな、寂しそうな表情をした瑠衣斗が写っていた。
「可愛い!!これ本当にるぅ!?」
「あ〜…中学のアルバムより恥ずかしい…」
隼人君も、もちろん可愛い。
でも、瑠衣斗があまりにも可愛いせいか、私は感動のあまり声のトーンが上がる。
「…やばいっ。るぅってちっちゃかったんだ」
「うん。…こう見えてかなりの泣き虫で、背も低くて体も弱かった」
「えっそうだったの?今のるぅからじゃ全く想像つかない」
「当たり前だ。何年前の話だと思ってんだ」
小さな頃はすぐ泣いて、しょっちゅう熱を出したりしていた事。
そのために柔道を習い始め、どっぷりと武道にハマっていった事。
他にも水泳やバスケ、野球、サッカーと、興味の沸いたスポーツ全般は何でも遊びの延長でやっていた事。
確かに高校生の頃の瑠衣斗は、運動神経は抜群だった記憶がしっかりと残っている。
でも、柔道以外は遊びの延長で、なんでもソツなくこなしてしまう瑠衣斗を、改めてすごいなんて思い直していた。