いちごいちえ
「ありがとうね、隼人君。私すごく嬉しい」
「ホント?じゃあ、はーくんもうれしい!!」
暖かい気持ちで胸がいっぱいで、隼人君の小さな温もりを胸一杯に抱き締めた。
絶対に大切にするね。
隼人君の気持ち、大切にするからね。
そっと体を離して、改めて笑顔で頭を撫でる。
周りを明るくするようなその笑顔を、胸に焼き付けておいた。
また、来れたらいいな。
会いたいな。みんなに。
「もも、そろそろ行くぞ」
「…うん、行こうか」
もう一度隼人君の頭を撫で、そっと立ち上がる。
もう時間切れだ。
後ろ髪を思い切り引かれるが、いつまでもここに居る訳にはいかないんだ。
「元気でな、2人とも」
「体にきをつけてね!!」
「はい、お世話になりました」
祐二さんと由良さんに頭を下げて、瑠衣斗を見上げる。
さすがに今日は焼き餅を妬いている様子もなく、微かに微笑みを浮かべて私を見ている。
「行くか」
「うん。大輔さんとヨネさんも、ありがとうございました」
2人に視線を向けると、軽く手を上げて笑顔で見送ってくれている。
「2人ともじゃーなー!!またな!!」
「りゅうちゃんと宗ちゃんにもよろしく〜♪じゃあな〜」
その様子は、なんだかまた明日も会えるような気がして、私は素直に手を振り替えした。