王姫と葉山学園生徒会!


そして手書きの手紙に指定された日の正午前、試合の開幕を表すかのようにインターホンが鳴らされた。


「いらっしゃい、黒木さん。出迎えが私でごめんなさいね、煉はまだ支度中みたいで」


嘘だ。煉は部屋にいる。

黒木さんをリビングに通してから煉もリビングに呼んで、私はキッチンへ。


「黒木さんはコーヒーと紅茶、どちらがよろしいかしら」

「煉さまはどちらですの?」

「煉にはアールグレイのミルクティーを」

「なら私もそれでお願いしますわ」

「ええ」


長い手入れの行き届いた黒髪を後ろに流す黒木さんは、何処からみてもご令嬢だ。


< 156 / 181 >

この作品をシェア

pagetop