王姫と葉山学園生徒会!
そして手書きの手紙に指定された日の正午前、試合の開幕を表すかのようにインターホンが鳴らされた。
「いらっしゃい、黒木さん。出迎えが私でごめんなさいね、煉はまだ支度中みたいで」
嘘だ。煉は部屋にいる。
黒木さんをリビングに通してから煉もリビングに呼んで、私はキッチンへ。
「黒木さんはコーヒーと紅茶、どちらがよろしいかしら」
「煉さまはどちらですの?」
「煉にはアールグレイのミルクティーを」
「なら私もそれでお願いしますわ」
「ええ」
長い手入れの行き届いた黒髪を後ろに流す黒木さんは、何処からみてもご令嬢だ。