王姫と葉山学園生徒会!


玄関に向かうと、女の子の群れが出来てるのが見えた。

その中心には、煉。


「あーあ。囲まれてるね」

「囲まれるの分かってても来るんだね」

「それは美姫がいるからでしょ」

「美姫ちゃん凄く大切にされてるもんね」

「幼なじみとして、ね」


自分で言った言葉に胸がちくんと痛むのには気付かなかったフリをする。

ずっと蓋をしている感情を開けないように。

大丈夫。煉は私を大切にしている。

よし、大丈夫!


「じゃ、私帰るね~」

「煉、連れ戻すの頑張って」

「慣れっこだから大丈ー夫」


手を振って梓と芽衣に背を向けて歩き出す。


「美姫」

「あら、迎えに来てくれてありがとう、煉」


いつもなら“美姫副会長”“煉会長”と呼ぶのだけれど、今は放課後で周りを蹴散らすのが目的だから普段通りに呼ぶ。

煉を見ながら周りの人を視界に入れると私を避ける様に下がるのが分かる。


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