王姫と葉山学園生徒会!
「いくら数分の距離で敷地内とはいっても夜道を美姫1人では歩かせられない」
「ほんと煉は心配性ね」
「当たり前だろう?梓、芽衣、ありがとう」
ちょっと離れた所にいた梓と芽衣は微笑みながら頭を下げた。
普段ならバイバイと手を振るのに。
「さあ、帰りましょうか…お姫さま?」
「ええ」
こういう時の煉は本当にノリがいい。いくら演技とはいえ素面でお姫さまなんて言えるのはこいつくらいか…いや、大地と悠馬も言いそうかも。
私は煉から差し出された手に自分の手を重ねる。
…周りの視線が突き刺さるかと思う程に集中する。
「では皆さん、ごきげんよう」
にーっこり、と笑って私たちは女子寮を後にする。
もちろん、手は繋いだまま。