王姫と葉山学園生徒会!
シャッ、とカーテンの開く音がして鏡越しに不機嫌な煉が見える。
「ごめんね」
「お前なあ、俺だって仮にも男なんだけど」
「…そんなの知ってる」
煉が背中のファスナーに手を掛け、絡んだ髪をいじる。
いつもならお互いに喋らなくても安心出来るのに、今は沈黙が凄く重たい。
煉もそう思ったのか、視線と手はファスナーのままに口を開いた。
「どれにするか決まった?」
「聞いてたでしょ、迷ってる」
迷ってる、に煉はどれがいい?と含ませれば煉はそれを察してくれる。
「…コレの前に着てた奴は」
「ああ、あの白いのかあ。シンプルなのに凄く綺麗だよね」
「何着ても似合うけど、カラーより白とか黒の方が今回は良いんじゃないか?」
何着ても似合うと言われて嬉しくなるのを隠して、応える。
「あー、確かにカラーはいろんな子たちが着るから華やかな中の1人になっちゃうね」