王姫と葉山学園生徒会!

「ありゃー、今年新入生増えたね」

「去年の1.3倍らしいからね」

「なんでそんなに入学許可だすかな…」

「そんなの簡単でしょ。支援してくれる家が多いからよ。元々敷地は余るくらいの学園だから人数に問題はないしね」

「お金の力、だろ」


入学式の流れとあたしと煉の役割の確認をし終えてから、私たちは再び始業式を終えただろう体育館へと向かう。

新入生の案内と歓迎のために。


「他の生徒会の奴らは?」

「新入生の顔ぶれでも眺めてんじゃない?」

「暢気でいいよな」

「煉だって十分暢気よね。生徒会長の挨拶ドジったら爆笑してあげる」

「美姫が爆笑したらイメージ崩れるだろうね」

「だな」

「やだな、ちゃんと舞台おりて他の人が見てない所でやるよ。ちゃんと新入生の前では“理想の姫”を貫き通すから」

「実は似非の姫と王ですってな」


3人で他愛のない話をしながら体育館へ入ると一気に歓声があがった。まだ新入生は揃っていないというのに、注目は完璧私たち。

≪煉さまと美姫さまよ!梓さんもいらっしゃるわ≫

≪王姫と梓さんの組み合わせが本当に見られるなんてお父さんにこの学園に入学するように頼んだかいがあるわ≫

ひそひそと話す声も聞こえてくる。美姫さま、ね。さまって呼ばれるような柄じゃないんだけどな。

苦笑気味に新入生に手を上品を意識して振る(イメージは天皇家の方々のするアレ)。


煉も同様に。梓は私と煉の付き人のように、でも他との格の違いが分かるように“葉山学園生徒会”として振る舞う。


「美姫、入学式開始の時間」

「はーい。煉、トチらないでね」

「誰にモノを言ってる」


さあ、春休みがあけて学校生活の再開だ。

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