王姫と葉山学園生徒会!
あたふたし始めた私の心情を詠んだのか煉は苦笑した。
「似合ってるし、綺麗だから心配すんな」
ぽん、と頭に手を置かれるくらいの距離に来た煉は上げた手を少し下げて腰を折る。
「行きましょうか、お姫さま」
「…ええ、エスコート頼むわね」
「お任せください」
私は煉の手に己の右手を重ねる。
芝居かかった仕草と言葉にお互いに笑いながら、他の生徒たちのいるホールへと向かう。
もちろん、梓は大地に、芽衣は悠馬に手を取られながら。
広くて豪華な階段に敷かれた赤い絨毯の上に立つと騒がしかったホールが一瞬にして静かになるのが分かる。