王姫と葉山学園生徒会!
4*喧嘩するほど?
ダンスパーティーから2週間。
完全に、とは言えないまでも珍獣の気分は味わないで済むくらいには周りは落ち着いた。
少なくとも告白はほとんど無くなったし。
黄色い声は気にしない事にした。
先週は球技大会が行われたけど、Aクラスは不参加が義務でスタッフ側で働いた。
Aクラスが出るとAクラスが勝っちゃうから、という建前でぶっちゃけ私たちはその後の行事の手配で忙しかったから不参加。
今週は各学年ごとの遠足だし。
テキパキと作業しなきゃ!…なのに、
「ねぇ、煉?」
「なんだい、美姫?」
私も煉も目の前の光景に口元を引き吊らせる。
「梓と大地はどうしたのかしら?」
「どうしたんだろうねぇ」
私たちの目の前には、明らか不機嫌オーラを纏った梓と、困りきってますと顔にかかれた大地。
今の大地を大地のファンが見たらいつもの爽やかで日本男子ってイメージが崩れそう。
ファンの子たちは中身はすっごい優男だって知らないしね。
いつも真面目な顔して(さらりと惚気溢すが)、あまり崩れた笑いをしない(梓に対しては甘い顔をするが)大地が、おろおろとしてるのはそれはそれで面白いんだけど。
「何があったの?」
「喧嘩らしい」
「喧嘩なんかしてない!」
叫んだのは梓。