王姫と葉山学園生徒会!
「泣かないよ」
「でも、堪えてるだろ」
「ちょっと、ね」
「訊かない方がいい?」
「うん、訊かないで」
「分かった」
ソファに腰かけると、いつもなら隣に座る煉が今日は私の後ろに立って、背もたれに肘を置いてる。
「…お風呂沸いてるから入ってきなよ」
「そしたらお前、1人で泣くだろ」
「だから泣かないって」
泣きたい程に悲しい事はない。
ちょっと梓たちを見てて自分の気持ちにセーブが利かなくなっただけだもん。
煉の心配のしすぎ。
「ちょっと気分が高ぶってるだけ」
「なら、発散しとけ。見ないから」
そう言って、またもや頭を撫で始める煉。
…優しすぎるよ、バカ。
その優しさが嬉しいけど、残酷だって知ってるの?