王姫と葉山学園生徒会!


「お前なあ、堂々とドア開けんなよな」

「だって煉、後ろ向いてるだろうと思ってたし」


脱衣場には風呂場のドアに背を向けてる煉が立っていた。

どうせ煉の事だから私がドアを開けるのなんか予測済みで、あらぬハプニングを起こさない為に後ろ向いてたんだろうね。


…そう考えるとちょっとした悪戯心が出てくるんだよねぇ。

普段は私がこっそりドキドキしてる訳だし、これくらい良いよね?


心の中で納得して、そろ~と煉の背中に近付いて手を伸ばす。


「シャンプー詰め替えお願い」

「…美姫っ!」


濡れたまま煉の脇腹の横から手を入れてシャンプーケースを差し出す。

煉が振り返れば、アウトだけどそんな事しないって判ってるから出来る行動。


< 96 / 181 >

この作品をシェア

pagetop