【短】放課後、人魚が泳ぐ
「……やだなぁ!!4月からちゃんといたよ!?」

そう言って笑う魚住の顔はひきつっていて、さっきの笑顔とは違かった。


「……そっか。なら悪かったな。」

俺は、魚住のそんな顔を見たくなかったから追及するのをやめた。

不思議と魚住には笑っていてほしい。そう思えたんだ。


「…そのブレスレット、キレイだね。」


魚住の細い手首についているブレスレットに目がいった。

「ありがとう!!これ、お母さんが作ってくれたの!!大事な物なんだぁ…」

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