ぶす☆カノ
校門まで来ると、内山さんが見えた。
……女の子と話してる?
「まあ、そんな春香ちゃんも可愛いな」
「もー、馬鹿にしないでよー」
あんな楽しそうに…
はあ、今日別れちゃおうか。
なんて考えながら、ぼーっと2人を見つめると、内山さんが気づいたらしい。
「あ、春香ちゃん、またな。今日用事があるから」
「うん。じゃあね?」
春香ちゃんとやらは、私の帰り道とは逆方向に歩いて行った。
短いスカートに、さらさらロングヘアー。
はあ…、私とは正反対だな。私は自分のダサい姿をちらっと見た。
「おい」
優しさの欠片も見えないそっけない声に、私はため息をついてから顔をあげる。
なに?この扱いの違いは。
「行くんだろ」
私は彼の後を追った。
「おい、お前は俺から3メートル離れろ」
急に振り返ったかと思えば、それですか。
「はい?」
「近づくな、俺に釣り合わないから」
私はアイツを睨んだまま、後退りした。アイツは私を汚いものでも見るように冷たい視線を私に向けた。