ぶす☆カノ
「これでいい?」
私が聞くと、ふんっと前を向いた。
……かっちーん。
ごめん、堪忍袋爆発した。緒が切れる前に、爆発した。
「……調子乗ってんなよ」
「はあ?」
私は睨んだまま、ずかずか歩いた。
「あんたが私の後ろ3メートル歩きなさい」
「は?って、え?ちょ…」
「なに?文句ある?」
可愛くないから何よ?
なんで私があんたの後ろをこそこそ歩かなきゃなんないのよ。
「ブスになんで命令されなきゃなんねーんだよ」
くるっと振り返る。
「ブスが命令しちゃだめって、誰が決めた?」
「……、うざ」
「それは知っておりますので」
私はにんまりとして、ずかずか前を歩いた。