ぶす☆カノ


さっきからぶつぶつ言う、彼に、ため息をつきながら、ポケットから取り出した飴玉を差し出す。



「ん」

「そんなのいらね」

「もらいなさい」



ぽん、と投げると反射的にキャッチした。さすがハンド部キャプテンです。鮮やかなキャッチでした。

なんだか面白くて、でも笑うとこは見られたくないから、顔を背ける。



「わ、私コンビニ寄るから、じゃあね」



そう言い残し、コンビニに向かった。



「アイツ、嫌いだ」



そんな声を聞きながら、私のが大っ嫌いって思いを込めて、べーっと舌を出した。



なんだか、別れを切り出したら負けな気がする…

そんなことを考えながら、いつも買っている、飴玉と、レモンティーを買って、不機嫌な表情のまま、でもちょっとだけ、いい気分で家に帰って行った。


< 15 / 50 >

この作品をシェア

pagetop