ぶす☆カノ
さっきからぶつぶつ言う、彼に、ため息をつきながら、ポケットから取り出した飴玉を差し出す。
「ん」
「そんなのいらね」
「もらいなさい」
ぽん、と投げると反射的にキャッチした。さすがハンド部キャプテンです。鮮やかなキャッチでした。
なんだか面白くて、でも笑うとこは見られたくないから、顔を背ける。
「わ、私コンビニ寄るから、じゃあね」
そう言い残し、コンビニに向かった。
「アイツ、嫌いだ」
そんな声を聞きながら、私のが大っ嫌いって思いを込めて、べーっと舌を出した。
なんだか、別れを切り出したら負けな気がする…
そんなことを考えながら、いつも買っている、飴玉と、レモンティーを買って、不機嫌な表情のまま、でもちょっとだけ、いい気分で家に帰って行った。