ぶす☆カノ
「ん……」
ふと目が覚め、眼鏡をかける。
ぼやけていた世界が、ようやくはっきり見えるようになった。
時計を確認すると、夜の11時を回っている。
「……あ、携帯」
携帯を開くと、全部同じ人から、3件のメールが来ていた。
1つ目
『返信しろ』
2つ目
『行く、行かない』
3つ目
『7時15分に駅来い』
どれも冷たいメールだ。とりあえず、明日は行かなきゃならないらしい。
私は携帯をぱたりと閉じ、お風呂へ向かった。
夏ど真ん中の夜は、少しムシムシするけど、どこかすっきりして、そして、さみしいものだった。