ぶす☆カノ
「ちょ、ちょちょ…ちょっと!!」
「…ん?」
のそっと振り返り、私と視線を合わせた。
うっ……、まわりの視線が痛い……
でも、頑張らなきゃ。私は1人、ふんっと息をはく。
「私といると、恥ずかしいし……釣り合わないでしょう?」
「まあ……、俺、かっこいいし」
自分で言うなっ。
うっ…、なんだろう。うずうずする。日頃、突っ込み担当の私は、手が動きそうになるのを押さえた。
「あ、の。それはどうでもいいんだけど。ここからは人多くなってきたし……迷惑かなって……」
「まあ、たしかに迷惑」
「……ばかっ」
それだけ言い捨て、どすどす歩いて内山さんを追い越し、学校にずんずん向かった。
今日の天気は晴れ。
透き通った青空だった。