ぶす☆カノ
「あんさー、木下さんいる?」
ついに来たか……
びくっ……、こ、怖いんですけど。
黒いオーラ、出まくりですけど。
「……さあちゃん、行ってくる」
さあちゃんは、あの女の子の言葉を聞いた瞬間思い切り立ち上がり、殴りかかりそうな勢いだった。
そんなさあちゃんを抑えて、私は廊下に向かった。
……被害に合うのは、私だけでいい。
「……私ですけど」
「あ、ハンド部マネの子」
「はい、そう…です」
「……可愛くないって有名よね?」
バカにするように、吐き出すように言われた言葉に、私はちょこーっと……
「私は可愛くないですが。何か?」
強気な言葉に、口をパクパクさせている。
……ついでに薄くて細い眉がピクって動いた。
可愛くないことくらい、知ってるよ。
「べ、別に。…颯人とは釣り合わないって思っただけ」
……んなの、とっくにわかってるわ。
さあちゃん、ごめん。私キレるかも。
頭の中で、ピキっと音がした気がした。