ぶす☆カノ
「……ごめん」
私は内山さんの、頭に乗っている手を払って、校舎の外に向かった。
内山さんの手が、行き場をなくし、フラフラしていたのは、払ってすぐに分かった。
目頭が熱い。
自分の気持ちがあやふやで、わからなくてイライラする。
校舎から出ると、ムシムシした空気が私を包んだ。
空は晴れていて、蝉はうるさくガチャガチャ鳴いている。
校舎の外のすぐそこに生えるひまわりは、太陽を見つめ、力強く立っている。
蜜蜂は忙しそうに、せわしなく、羽を動かしながら、私の目の前を通って行った。
私はひまわりの生えている花壇の、隣のベンチに腰を下ろした。
太陽の光が直接当たって暑い。でも、別にそんなのは良かった。
ベンチに腰を下ろしてすぐ、緩くなって壊れる寸前だった涙腺は、限界と叫んで、いつの間にか、私の頬を涙が濡らしていた。