ぶす☆カノ


私は黙って俯いていた。自分の握った拳を睨んでいた。

ジリジリ日差しは暑いし、汗もかいている。



「俺らは嘘の関係だから、俺が言うべきじゃないだろうけど。

時には誰かに頼ったり、弱いとこ、見せてもいいんじゃねーか?」

「……わ、私は頼ったり、弱いとこを見せること、できない」



涙声なのは、ごまかそうとしても、できなかった。

泣いたり、弱音を吐いたり、考えると全く見せたことがない。



さあちゃんにも、弱いとこは見せれない。

抵抗がある。



「今、泣いてたろ?」

「知らない」



私は、再びごしごし目を擦った。

泣いてたっていうことを、隠すように……



「お前強がりすぎ」

「強がってない」

「そうすか」



そう言ったあとは、何も言わなかった。

ただ黙って、私は俯いてたし、内山さんは私の隣にちょっと空間を置いて、座ってたし。


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