ぶす☆カノ
「あ、拓真、ハンドボール楽しいでしょ?」
拓真は、中学時代陸上部で、短距離を走っていた。
ついでに、県大会では、表彰台に上がるくらいの結果を出している。
でも、拓真は、高校からハンドボールを始めた。
「あぁ。めちゃくちゃ楽しい」
「ふふっ。私も身体動かしたいな」
「マネも大事な役割。それに……」
拓真が口ごもる。
……もう、大丈夫だよ。
「もう、気にしないの!足壊して、あのコートに戻る勇気がない私が悪いんだからさ」
私は、ハンドボールをやめるしかなかったんだ。
足を試合中怪我して……、でも、リハビリすれば戻ることも可能だった。
でももうあの、コートに立ちたいとは思わなくなってしまった。
たまに、凄くやりたくなるけど、コートの上に立つと、足がすくんでしまう。
重くなって、動かしにくくなる。
でも、ハンドボールは好きだから、マネジャーとして、続けてるんだ。