ぶす☆カノ


それから数日が過ぎた。



あの時から、内山さんとは特に変化はない。

ただ、なぜか行きも帰りも一緒。時々誘われて、あのベンチで、ギラギラ日差しに照らされながら、ご飯を食べる。



まあ、私は人がまわりにたくさんいると、逃げる。彼と距離をとる。

視線が嫌い。私は注目を浴びるキャラじゃない。

……今までも、これからも。



「はよ」



眠そうにあくびをしながら、片手を上げる内山さん。



「……今日も来たの?」



あ、変化と言えば、駅に集合だった登校が、私の家の前になって、朝も早くなった。

あの時より、のんびり登校するし、あの時より、涼しい。



今日もなかなか、この時間帯は涼しいのだ。



小鳥がさえずり……、雀か鳩かなっ。

蝉は……朝からせわしなく鳴いております。



暑いって思えば暑いけど、涼しいって思えば涼しい時間なんです。



「行くか」

「ん」



私たちは、肩を並べて歩き出した。


< 42 / 50 >

この作品をシェア

pagetop