ぶす☆カノ
それから数日が過ぎた。
あの時から、内山さんとは特に変化はない。
ただ、なぜか行きも帰りも一緒。時々誘われて、あのベンチで、ギラギラ日差しに照らされながら、ご飯を食べる。
まあ、私は人がまわりにたくさんいると、逃げる。彼と距離をとる。
視線が嫌い。私は注目を浴びるキャラじゃない。
……今までも、これからも。
「はよ」
眠そうにあくびをしながら、片手を上げる内山さん。
「……今日も来たの?」
あ、変化と言えば、駅に集合だった登校が、私の家の前になって、朝も早くなった。
あの時より、のんびり登校するし、あの時より、涼しい。
今日もなかなか、この時間帯は涼しいのだ。
小鳥がさえずり……、雀か鳩かなっ。
蝉は……朝からせわしなく鳴いております。
暑いって思えば暑いけど、涼しいって思えば涼しい時間なんです。
「行くか」
「ん」
私たちは、肩を並べて歩き出した。