ぶす☆カノ


私たちは、電車を降り、学校への道を歩いた。



「はい」



思い出して、私は鞄から飴を取りだし、内山さんに渡した。



「これ、いくら食べても飽きない」



最近は毎日、この時間と、帰り、食べたくなった時に、2人で飴を頬張ることが多い。

ニコニコして喋る内山さんは、まるでしっぽを振っている犬……



簡単に言えば、可愛いってことだ。

なんだか、そんな笑顔を見ていると、私も嬉しくて、ついつい笑顔になってしまう。



私も同じ飴を取りだし、袋を開ける。

このフルーツの味の飴は、内山さんのお気に入り。特にリンゴ味。

私はみかん味が好きなんだけどね。



口に含むと、やっぱりいつもの大好きな、甘酸っぱい味が広がった。


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