ぶす☆カノ

「あ、じゃあ私先行くからね」



いつも朝はここで、別れる。

ここからは、同じ高校の制服を着ている人が増えてくるんだ。



「ん、じゃあ今日昼な?」

「ん、了解」



今日は、一緒にお昼ご飯を食べれることになった。

自然に笑顔になる私。



「あ、颯人ーっ!!」



はあ…、すぐに女の子が内山さんの周りにたかる。

私は1人、とことこ歩いていく。



もう、女の子からの呼び出しはなくなった。

…相変わらず、視線は痛いんだけどね?

まあ、大丈夫だ。



「あれ?れなちゃん髪切った?」

「分かるー?颯人にわかってもらえて、れな嬉しいな」



後ろの会話は、無視することにしよ。

相変わらず、内山さんは女の子に優しいし、私より、優しく対応する。

…別にいいけど。



地面に落ちてる石ころを、ぽんっ、と蹴った。

コロコロ転がって、隅で止まった。また、蹴ることはできなさそうだ。
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