ぶす☆カノ
昇降口から靴を履いてから外に出る。
カツカツ、音を立てながら靴をしっかりはく。
外に出ると、やっぱりあの頃と変わらず、むしむしした空気が私を包んだ。
ひまわりの隣のいつものベンチには、すでに彼の姿はあり、今日のお昼ご飯なんだろうか。焼きそばパンとにらめっこしている。
「お待たせ」
「…遅い」
「ご、ごめんなさい」
「いや、いいんだけど」
内山さんは視線を私に向けないまま、パンの袋を待ってましたと言わんばかりに、かぱっと開いた。
その瞬間の笑顔と言ったら、本当の子どもみたいに無邪気なんだ。
私もなんとなく笑顔になって、お弁当を取り出し、自分の膝の上においた。
ひまわりは、今日も太陽が羨ましいとでも言うように、力強く太陽を見つめていた。