ぶす☆カノ
「だろ?実は俺ん家、パン屋だから」
「ま、まじっ!?」
だ、だから昼ごはんはパンが多かったのか…
「まあ、毎日だと飽きるけどな。でも、安くしてくれるし、運がいいと、ただで食える」
「今度、内山さんのパン屋さん行くっ」
「ま、まあいいけど」
勢いよく身を乗り出した私に、内山さんは軽く後退り…
古いベンチは、ミシっと音を立てた。
「あ、今日来るか?」
「…へ?」
突然の提案に、間抜けな返事をしてしまった。
「いいの?」
「たぶん」
「やったー」
私は大袈裟に、ガッツポーズをする。
行って、安くしてもらっちゃおっ!!…なんて、ちょっとずるいことを考える、私でした。