ぶす☆カノ
とりあえず、ただの連絡用に。
ただの、を強調した内山さんと携帯の番号とアドレスを登録した。
教室に戻ると、待ってましたと言わんばかりに、目をキラキラさせるみんな。
内山さん、ごめん。
なんてちょっと思いながら、苦笑いした。
「ま、まさか内山くんと?」
「んー、そんなとこ?」
「まじでー!?あんなかっこいい?」
私は耳を塞ぐ。
そう、みんなの言う通り、かなりモテるのだ。私にはいまいち理解に苦しむとこだが…
まんまるな目に、整った唇に鼻。さらさらな栗色の髪の毛。愛嬌も見える顔だが、クールな一面も。ギャップがたまらないとか。
「う、うん。でも、実際私ブスだし。すぐ飽きて別れるんじゃない?」
「ふーん」
なんか企みの笑みを見せるさあちゃんに、ちょっと嫌な予感を感じた。
手早く荷物を準備した。
「あ、部活行かなきゃ」
「あ、ちょっとっ…」
そんな声を無視して。
「あ、あんまり他に言わないで!!…あ、苛められたくないからさ」
手をヒラヒラ振るさあちゃんを見て、私は着替えのため、更衣室に向かった。
約束は守らなきゃ。
口止めはできたよね?