年下の幼なじみ〜甘々な恋を年下の彼に〜
あたしは、いつだっていっぱいいっぱいだ。
いつも、余裕な翔なのに、今日はどこか余裕が感じられない。
「葵……っ
わりぃ、今日は優しく出来そうにない……っ」
「ぁ………っ」
翔がそう言った瞬間、あたしの身体に、鋭い痛みが走り、思わず、翔の腕を握りしめていた。
───…
気付いたときには、あたしは翔の腕の中にいた。
「今日の葵は可愛かった」
翔が意地悪な笑顔でそんなことを言うから、あたしは恥ずかしくなって真っ赤になってしまう。
「もう……っ、言わないでっ」
翔から、プイっと顔を背けると、
再びあたしを抱きしめた。
「葵、チョコありがとうな、最高のバレンタインになったよ」
と、最高の笑顔で囁いた。
ハートのバレンタインデー【完】