Liar





もし親友なんだとしたら、どうして俺に何も……




いや、やめよう。




俺がアイツの信頼に値しなかっただけだ。




それに、穹は人に死ぬほど心配させておいて平然と帰ってくるんだ。




だから待ってればいい。




いつか、俺が穹の『親友』以上になれる日まで……




「……はぁ―――」




51回目。




まったく、何回溜息をついたら戻ってくるんだ。




胸中で悪態をつきながらも、暗雲は拭いきれない。




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