Liar





ふと窓から覗ける四角い空を見上げる。




先ほどまで晴れ渡っていた青空は、いつの間にか雲に覆われている。




今にも降り出しそうな曇天が、焦燥感と苛立ちを更に加速させた。




空、穹、空。




晴れの日はアイツの頭ん中も晴れ。




雨の日は、アイツの頭ん中も雨。




それなら曇りの日は……




その先を考えるより前に、俺の掌には携帯電話が握られていた。




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