Liar





「……ッ!」




藍の口がピクッと痙攣する。




それを見逃さなかった雨水は、さらに楽しそうに猟奇的な笑い声をあげた。




「……ククク……、ッハハハハッハハハハ!

天下の藍さまがこのザマか!これだから人間ってのはおもしろい。

その道の奴等からも恐れられる君が、まさか一人の少女に感情的になるなんて!」




狂酔するかのように声高らかに叫び、ナイフを握る手に力を込める。




「さて、どうする?君が殺すか、僕が殺すか」




話が全く読めない。




雨水が私を殺そうとするのはわかる。




だけど、どうして藍が選択肢に入ってるんだ。




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