Liar




『僕が守ってあげるから、安心してね』




嘘だ。



だってあなたは私を知らないもん。




『もう怯えなくていいよ。俺は穹の味方だから』




嘘だ。



だって私はあなたを知らないもん。





「あなたたちが守りたかったものは、私の母親でしょう。私にその面影を探さないでください」




「違う、俺は……」




ぱし




間抜けな音が乾いた空気を震わす。




私の平手が藍の頬を軽く叩いたのだ。




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