Liar






毛虫が這いずり回っているような不快感が体中を駆け抜ける。




殺される。




本能的にそう感じた。




「またあの時みたいに切りつけてあげるよ」




背中の傷が疼く。




忘れてはいけないと憤慨するように。




「だって君は『穹』だか




パンッ




雨水の言葉が最後まで紡がれることはなかった。




遮るように乾いた音が部屋に響く。





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