Liar






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「どうして……」




突然降り出した雨が私の頬を濡らす。




目の前には鮮血に染まった雨水と藍の姿……




雨水の手にはナイフが握られ、藍の手には銃が握られている。




やはり二人は母の墓前にいた。




はっきりとしない意識のまま、藍に駆け寄る。




「藍!起きてください、藍!こんなところで寝たら風邪ひきますよ!」




体を抱き起こして必死に叫ぶ。




哀叫が夜の雨に染み渡る。




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